【 つれづれ。。。 】
過ぎていった今年の夏、その夏の終わり頃はひとつのテーマを持って過ごしていたSeoulLife Records店長の小杉です。
「裏返って死にかけのセミを見かけたら必ず表に返す」
これでございます。
何故そうするのかは自分でもハッキリとは分かりません。
何となくですが
「夏の主役の最後が果たしてこれでいいのか」
というセンチメンタルな気持ちが何処かにあるような気はいたしますが。
で、まあですね、そんなこんなで夏も過ぎ、先日恒例の残業に疲れ果てて深夜に帰宅、まずはトイレと便器に座ったところですね。
座ったその足元に居たのですよ。
ゴキブリが。
至近距離で対峙する店長小杉とゴキブリ。
反射的に何か紙を丸めたものか何かで殺そう、そう考えたその時、店長小杉の頭の中にゴキブリの声が響いたような気がしたのです。
ゴ:「待て、我々は似たような境遇の存在ではないか。何故殺す?」
小:「君か?話しているのは君なのか?」
ゴ:「このトイレに私と君以外の誰が居るというのかね」
小:「だとして私は人間で君は昆虫だ。一体何処が似ているというんだ」
ゴ:「外見がとても宜しくない、ただそれだけで嫌われているのだ。疎まれているのだ。種族は違えどそれは君も私も同じではないか、違うかね」
小:「・・・」
ゴ:「蚊のように人を刺して血を吸う、あるいはハチのように毒を注入する、私がそういう害を与える存在であるならば嫌われるのも殺されるのも嫌な事だが理解はできよう。だが私が君に一体何をした?ただ醜いからという理由だけで殺そうとしたのであろう?」
小:「い、いや決してそんな・・・」
ゴ:「では私の身体が、見た目が、セミならば君はどうした?」
小:「たぶん窓から外に出して逃がしてあげているだろうと思う」
ゴ:「そういう事だよ。もう一つ仮の御話をすればもし私がこの外見のままセミと全く同じ声で鳴けたなら、果たして夏の主役になっていたと思うかね?」
小:「・・・」
ゴ:「答えは聞かずとも分かる。それが完璧にセミと同じ声だとしてもおそらくは全く逆の評価をされるだろう。醜い上にうるさい夏の害虫、とね」
小:「そんな・・・」
ゴ:「そして君の取ろうとした行動は君が常日頃から女性達に取られている行動と本質的には同じなのだよ。だから彼女達を逆恨みしてはならない。君も彼女達と全く同じ感情を持って私に接し、そしてそれに基づいて行動しようとしたのだからな。理解できただろう?だから恨んではならない」
小:「・・・ひとつ聞きたい」
ゴ:「何かね?」
小:「君は私を恨まないのか?」
ゴ:「このままそっとしておいて貰えるのであればね」
・・・そういう訳でですね、完全に説得されてしまった店長小杉宅にはおそらく今も何処かに一匹のゴキブリが居るのでございますよ。
今夜あたりせめて配管だとかから外に逃げていて欲しい、そんな事を思いつつですね、今回はこの辺りで御開きとさせて頂きたい次第で。
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