【 つれづれ。。。 】
久々に少し変わった場所に行ってきたソウルライフレコード店長の小杉です。
それが何処かと申せばですね、
「ペルシャ絨毯屋さん」
で、ございまして。
「ホゥ、店長小杉も何だかんだ言っていい身分になったものよのぅ」
数少ない読者の方々の中にはこう思われる方も居られるかも知れませんが、購入を検討しているのは「店長小杉」ではなく「店長小杉の弟」でございまして。
ちゃんとした職に就き、ちゃんとした収入を得、ちゃんとした家庭を持ち、という店長小杉とはほぼ真逆の性質を持つ弟でございますからして、ペルシャ絨毯の購入を検討するのも特段におかしな事ではございませんで。
とは申せどですよ、良くは知りませんがイメージ的に御金持ち、ブルジョワジー、特権階級、王侯貴族の類が購入するものという感覚があるペルシャ絨毯、果たして会社勤めの弟にそのような収入があるものであろうか、と尋ねてみたところですよ。
「いえ兄上、自宅の仕事用スペースに敷くせいぜい一畳程度のすごく小さなものが欲しいのですよ。如何なペルシャ絨毯とは申せどこの小ささならば、おそらく普通の八畳程度の絨毯の御値段位で済むのではありますまいか」
云われてみれば成程確かに、そんな気も致します。
購入の趣旨としてはこの御時世、自宅とはいえ仕事用の狭いスペースで鬱々としてしまいがちな気分をせめて少しでも豪奢なイメージのものをそこに置く事でいくばくかでも改善できないだろうか、そういう事だそうで。
「ただ流石に独りペルシャ絨毯の専門店に入るのも何だか気後れがしてですね、兄上に付き添いをお願いできれば、と」
そういう訳でもってペルシャ絨毯屋さんに行った次第でして。
入口で消毒等を済ませて御店の中に入ってみればですよ、それはもう当然ではございますが床から壁から一面ペルシャ絨毯だらけ。
そして間近で見れば物の価値に疎い店長小杉にも確かに分かる程の豪奢、豪勢、高級品、そういうイメージが伝わってまいりますよ。確かに小さくともこういうものが自宅にひとつあれば、それはもう贅沢な気分になれるかも知れません。
で、店内を見て回りながら店員の女性の方に色々と説明をして頂きまして。
・総て羊毛で作られている事
・総て手織りである事
・総て草木染めで化学染料などは使われていない事
・織り方によって値段が違う事
・織った部族によって値段が違う事
・三代続けて使える程に頑丈である事
成程成程、と説明を拝聴しつつですよ、店長小杉が気になったのが
「総ての商品に値段のわかる値札などが一切付いていない」
事でございまして。
一通りの説明が終わったあたりでも、その値段感覚というものは一切分からないままなのでございます。
しかしこのままでは物事は先に進まぬまま、という事で店長小杉の弟がおそるおそる切り出しましたよ。
「あのぅ、一畳程度のものでですね、比較的御安いものはありますでしょうか?」
店員の女性の方は笑顔で答えて下さいました。
「それでしたら、編み目の比較的大きくて標準的なこちらの商品になりますね」
「これでおいくら位になりますでしょう?
「15万円ですね」
・・・。
絶句する店長小杉兄弟。
「ち、ちなみにその隣のものは?」
「これは編み目の細かい少し良いもので、30万円になります」
次の言葉がなかなか出てこない店長小杉兄弟。
正直な御話、事前に具体的な予算として考えていたのが
「ぶっちゃけ高くて5万円」
でございましたもので。
そしてその途端、これまで豪奢な気分を与えてくれていた店内のペルシャ絨毯達が
「帰り給え、ここは貴様ら如きが居て良い場所ではないのだよ」
と語りかけてくるような気がしてまいります。
比較的御安いもの、でこの御値段なのでございますから場違い、分不相応、とはまさにこの事なのでございましょう。
店員さんと申し訳程度に少しばかりのやりとりをして、もう逃げるようにその場を去ったのでございますよ。
ただ、ただですね、その店員さんとの去り際の会話の中で
「30センチ四方の座布団サイズであれば2~3万円ですね」
という情報がございまして。
これならば、頑張っていれば社会の最下層に位置する零細CDショップ店長にもいつかは手が届く日が来るかも知れません。
もうすっかり店長小杉も「ペルシャ絨毯」が欲しくなってしまっているのですね。
そしてその日の為に今日明日も頑張って仕事をしようではないか、そう思いつつですね、今回はこの辺りで御開きとさせて頂きたい次第で。
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