「話し手が一番怖い御話」 2021年6月9日配信号

【 つれづれ。。。 】

そろそろ日中は汗ばむ事も増えてきたこの季節、少し早めに「怖い御話」でひとつ涼でも取って頂こうかと考えているSeoulLife Records店長の小杉です。

えー・・・。

それは五月も半ば、そろそろ持病の脳腫瘍の検査が近い、と日々自分ではどうにもならない事を無駄に色々と考えていた頃ですか。

毎日出勤前、自宅で一本タバコを吸うのでございますよ。

玄関の近くに換気扇がございますもので、そこでボンヤリとタバコを頂いてですね、気持ちを御仕事用に切り替えてから出掛ける、これが習慣となっておりまして。

で、ボンヤリとタバコを吸いつつふと玄関の扉の鍵を見たのですね。

これがですね、鍵のレバーが垂直であれば鍵がかかっている、斜めであれば鍵が開いている、そういう仕組みなのでございますが。

鍵が垂直になっておりまして。

これ即ちですよ、昨今まあ色々と物騒なニュースもある中「鍵のかかっていない部屋で一晩寝ていた」とまあそうなる訳でございますよ。

どうですか、怖い御話でしょう。

ただまだ続きがございまして。

翌朝、同じようにタバコを吸いながら「そういえば昨日は何とも自分らしからぬ不用心な事をしていたな」とふと鍵を見るとですね。

鍵が垂直になっておりまして。

これ即ちですよ、「鍵のかかっていない部屋で二晩寝ていた」とまあ単純にそうなる訳でございますよね。

どうですか、さらに怖い御話でしょう。

ただまだまだ続きがございまして。

その翌朝も、さらにその翌朝も、タバコを吸いながら鍵を見てみると鍵が垂直になっているのですよ

何とこれが一週間ほど続きまして。

考えましたよ、夜な夜な誰かが安普請の店長小杉宅に侵入しているのではなかろうか、できれば侵入者は2~30代の見目麗しい女性の方であって欲しい、そしてその女性は店長小杉が眠りについた後に侵入してそっと一緒に寝て、眠りから覚める前にそっと布団から出て行っているのではなかろうか。

・・・と。

室内が物色されたり、何か物が取られた形跡は全くございませんからして、あるいはこの考えに可能性が無い事も無いのではなかろうか、しかし仮に可能性があるにせよ果てしなく現実味の薄い、どちらかといえば40代後半独身彼女無し男性の希望、願望に夢を足して味付けして出来上がったような考えでございます。

しかし何にしても実害は全く無いものですから、日々の多忙さにかまけて毎朝鍵が開いていても何らの対策もせぬまま10日程経った夜、就寝前布団の中でふとこう思ったのでございます。

「そういえば今、玄関の鍵はどうなっているのだろう?」

もう寝てしまいたい、面倒くさい、と5分ほど悩みましたが、これはここしばらく毎朝気になっている事ではないか、と布団から抜け出して玄関に行ってみるとですよ。

鍵が垂直、開いた状態なのでございます。

はてさて?

ガチャリ、と鍵をかけてそれが斜めになっている事を確認してですね、後はいつも通り寝て、いつも通り起きて、そしていつも通りタバコを吸いながら玄関の鍵を見てみると。

鍵が斜め、ちゃんと閉まった状態、なのです。

どうですか、思ったより怖い御話でしょう。

鍵を閉めて寝たのだから朝閉まっていて当然ではないか、何が怖いものやらちょっと訳が分からない、という数少ない読者の方々に改めて端折ってご説明するとですね。

・朝、玄関の鍵が開いている事に気付いたのが五月半ば。

・それから10日程経って、そもそも夜帰宅して鍵をかけていなかった事に気付いた。

この二つの要素をちょっとだけ掘り下げると見えてくるのは

・五月半ばに気付いていなければ、この先もずっと無施錠の部屋で寝ていた。

・気付いたのは良しとして、では気付いた五月半ばより以前はどうだったのか?

どうですか、違う意味でちょっと怖い御話でしょう。

改めて脳の検査に行ったものや否や、心底悩むのは実は今朝も玄関の鍵が垂直になっていたという恐ろしい事実もあるから、という事を御伝えしてですね、今回は御開きとさせて頂きたい次第で。

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それでは、今回のメールマガジンはこのあたりで・・・。

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