【 つれづれ。。。 】
この巻末では下らない事ばかり書いてはおりますが、人並みに落ち込みもすれば立腹もするソウルライフレコード店長の小杉です。
CDが売れないと云って落ち込むのはほぼ毎日なのでございますが。
つい数日前ですか、前日の売上を見てですね、毎日の事ながらもう両肩を脱臼したのではないかという程にガックリ肩を落として落ち込んでいた店長小杉、気分転換にひとつハンバーガーでもとマク〇ナル〇に行きまして。
何故にハンバーガーが気分転換になるのかと申せばですよ、実の所ハンバーガーなぞはもう正直どうでも良くてですね、そこのおそらく大学生アルバイトであろう女性のスタッフさんがですね、何故だか店長小杉の事を覚えていて下さっているのですよ。
「あら、お昼に来られるなんて珍しいですね!」
そんなごくささやかな御声がけがですよ、それがまあ必ずある訳ではないにしても、あるかも知れないと思うのが店長小杉の気分転換な訳です。
色々御意見もございましょうが良いではないですか、とにかくそう思えば気分が転換するのでございますから。
で、まあその味云々ではなく気持ち的にはどうでも良いハンバーガーを独りモソモソと食しているとですね、
「ザ・アメリカン」
なアメリカンサイズの恰幅の中年外国人男性が英語日本語ちゃんぽんで話しかけて来られまして。
「カウンター ノ スタッフ ガ キミノ事 呼ンデルヨ」
はて、何か頂き損ねた、或いは頂き過ぎたメニューでもあるのかとトレイの上を見回しましたが、まあ当然バッチリ注文通りなのでございます。
「本当に私を呼んでいるのでございますか?」
そうだ、その通り、と深く頷くザ・アメリカン中年。
「スタッフ ガ 何カ クレルカモ シレナイネ?」
ここで頭に浮かんだのがですよ、前述の大学生アルバイトの女性の方。
この流れはですよ、あるいは、ひょっとしたら、もしかするとですよ、あの方から電話番号なんてものを頂けるのかも知れませんよ。
「電話番号を頂く」という発想が非常に昭和的なのは存じておりますが、とにかくまあ今日びの若者の間での「電話番号に準ずる役割を果たす何がしか」を頂けるのかも知れませんよ。
想像しただけで若干半笑いになる店長小杉。
40半ば独身彼女無し、何の因果か深い深い孤独の泥沼の底に手枷足枷に重りまで付けて沈められていたような自分を、しかし神は決して、決して、見捨てられた訳ではなかったのだ、と。
そして云われるがままカウンターの所まで付いて来た半笑いの店長小杉に、ザ・アメリカン中年は満面の笑みでこう云ったのです。
「April Fool! Ha! Ha! Ha!」
一瞬では到底事態を飲み込めず、困惑の表情で茫然と立ち尽くす店長小杉に
ザ・アメリカン中年は連呼するのです。
「April Fool! April Fool!!! Ha! Ha! Ha! Ha!」
理解と同時に瞬時に湧き上がる怒りを抑えきれず、思わず咄嗟に拳を握りしめ
「小杉流奥義 超音速百連撃」
をザ・アメリカン中年に叩きこんでしまう店長小杉。
これは店長小杉が売れ残ったCD在庫から受けた衝撃をそのまま超音速の衝撃波に変換、それを「残った在庫数 x 彼女が居ない年数」分だけ相手にお見舞いするという、計算上ではその連撃は名前通りの百連程度では到底済まない非常に危険な技。
特にここ数年はその威力は増すばかり、という噂でございます。
その連撃をまともに食らい血の海の中に膝から崩れ落ちるザ・アメリカン中年。
あくまでも心の中で、ですが。
実際の店長小杉の行動はと申せば黙ってゆっくり静かに首を振って、今自分は到底そんな気分ではないのだと表現して席に戻っただけでございまして。
そしてもうすっかり味も何もしなくなったハンバーガーを齧りながら、はてさてもう少し大人な、はたまたグローバルな対応ができたのではあるまいか、自分の心には余裕が無さ過ぎたのではあるまいか、そんな事を考えながらザ・アメリカン中年の行方を見ているとですよ。
次は疲れ切った雰囲気の初老のスーツ姿の男性に似たようなイタズラをして露骨にムッとされていまして。
そうか、このザ・アメリカン中年の「イタズラを仕掛ける相手の選球眼」に大きな問題があるのだ、自分はそんなには悪くない、そういう結論に達して残りのハンバーガーを無理やりコーラで流し込んで外に出たのですが。
果たして神は自分を見捨てたのであろうか、そして日本人というものは比較的つまらない人種なのであろうか、そもそも論で恋愛対象に大学生を入れてはいけない年齢に自分はとうになっているのではあるまいか、色々な思いが交錯しながら終わった、そんなエイプリルフールなのでございました。
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それでは、今回のメールマガジンはこのあたりで・・・。
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